八重歯の矯正をするべきですか?
八重歯の矯正
- 八重歯の矯正をするべきですか?
- 八重歯の矯正をすると顔が変わりますか?
- マウスピース矯正で八重歯の矯正は可能ですか?
- 八重歯の矯正で後悔しないためのポイントを教えてください。
- 八重歯の矯正にはどのくらいの費用がかかりますか?
- 八重歯で部分矯正できない例を教えてください。
- 八重歯の矯正期間はどのくらいですか?何年くらいかかりますか?
- 八重歯の矯正に抜歯は必要ですか?
- 八重歯の矯正の経過を教えてください。
- 大人になってからでも八重歯の矯正は可能ですか?
- 八重歯の裏側矯正について教えてください。
- 八重歯の矯正は保険適用になりますか?
- 大人の八重歯矯正の費用を教えてください。
- 八重歯はセラミック矯正をできますか?
- 子どもの八重歯矯正費用について教えてください。
- 八重歯の矯正をしたいですが、目立たない方法はありますか?
- 受け口で八重歯でも矯正できますか?
- 中学生で八重歯の矯正をしたいのですが時期として問題ないですか?期間はどのくらいかかりますか?
- 歯を抜かないで八重歯の矯正をできますか?
- 片方の八重歯だけを矯正で治せますか?
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八重歯の状態は、話したり笑ったりした時に歯の凸凹が目立ってしまい、その口元を気にされる方は少なくありません。また、歯が重なり合った部分は歯磨きが行き届かず、虫歯や歯周病のリスクも高まります。このようなことから「見た目」「お口の健康」両方の観点から見ても、矯正治療で得られるメリットは大きいと言えるでしょう。
加えて、八重歯をチャームポイントとして捉える文化は残念ながら日本だけで、欧米ではドラキュラの歯(vampire teeth)などと例えられてネガティブな印象が避けられません。グローバルな視点からも矯正治療で歯並びを整える意義は大きいと思います。

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八重歯の矯正をすると顔が変わりますか?
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八重歯とは、歯が重なり犬歯が外側に飛び出た状態ですので、口が閉じにくく、外見的にも閉じた口元が前に出ているように見られるケースが多いです。また片方だけの場合は、口元が左右非対称になることもあります。
八重歯の矯正後は、口元が整い、すっきりした印象の顔つきに変化する方が多いです。ただし矯正治療は、口腔機能の回復が目的であり、審美的なことを目的とするものではないことをご理解ください。

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マウスピース矯正で八重歯の矯正は可能ですか?
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可能です。特に軽度の八重歯であれば、問題なく治療できます。しかし、重度の八重歯、特に抜歯が必要なケースでは、ワイヤー矯正の方が治療の精度が高く、期間も短く済むことが多いです。
個々の症例によってどの治療法を選択するのが有利かは、診させて頂いた上での判断となりますのでマウスピース矯正、ワイヤー矯正どちらの治療法にも精通する矯正専門医にご相談されてください。

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八重歯の矯正で後悔しないためのポイントを教えてください。
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八重歯は、犬歯(前から3番目の歯)が外側(唇側)に飛び出している状態です。八重歯の治療で後悔しないために一番大切なことは、よほどの理由がない限り八重歯そのものを抜かないということです。
ものを噛む時の動き(咀嚼運動)の際に非常に大切な役割を担っているのが犬歯で、顎の動きをつかさどり、顎が安定して動くために重要な働きをしています。これを「犬歯誘導」といいます。ですから八重歯の治療でどうしても抜歯が必要なケースでは、大切な犬歯ではなく、その隣の小臼歯を抜くことが多いです。
また、見た目的にも犬歯は歯列弓(歯が並んでいるアーチ)において前歯から奥歯に至るちょうど角の位置にあり、笑顔の時の唇のラインを美しく見せる役割も持っています。

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八重歯の矯正にはどのくらいの費用がかかりますか?
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矯正治療は、健康保険の適用となる症例もありますが、基本自由診療となります。
矯正治療を受ける際には、まず検査と診断が必要ですので、それぞれ検査料、診断料がかかります。治療方針が決まると装置代、動的治療が終了した後は、後戻りを防ぐ保定治療に入り、保定装置代がかかります。そのほかに来院の際の調節料、観察料等が必要になります。
費用がいくらかかるか、詳しくは矯正料金のページをご覧ください。これらの値段は、八重歯、出っ歯、受け口など不正咬合の種類に関係なく同じです。

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八重歯で部分矯正できない例を教えてください。
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歯列の一部を動かす部分矯正は、比較的軽度なケースでは行うことができ、費用や期間の面でもメリットは大きい治療法ですが、重度の叢生のケースでは不向きなことが多いです。
そもそも叢生(でこぼこの歯並び)の起こる要因の多くは、乳歯から永久歯に生え変わる過程で、顎が小さい、歯が大きいなどの理由で歯が並びきらないことです。最後になった犬歯が、生えるところが無く、やむなく外側に飛び出して生えるのが八重歯です。そのようなケースでは、奥歯の位置から改善しなければ正しいかみ合わせを作ることは難しく、部分矯正の適応とはなりません。
軽度の叢生であれば、IPR(歯の間を削って隙間を作ること)を併用し、部分矯正で改善できることもありますが、エナメル質を薄くする事となり、結果として虫歯のリスクが高くなるためケースは限られます。

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八重歯の矯正期間はどのくらいですか?何年くらいかかりますか?
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不正咬合の程度にもよりますが、動的治療期間(歯を動かして綺麗に並べる期間)が平均2〜3年、その後保定期間(綺麗に並んだ歯並びが安定するまでの期間)に3年程度が必要です。
歯の動くスピードには個人差があることや、治療途中で虫歯を作ってしまったり、装置のトラブルが多い場合等はそれ以上時間がかかる場合もあります。

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八重歯の矯正に抜歯は必要ですか?
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抜歯が必要なケースかどうかの判断には、正確な検査と診断が必要ですが、軽度の八重歯であれば、歯並びを拡大したり、IPR(歯の間を削って隙間を作ること)で、抜かずに治せることもあります。
しかし、叢生(でこぼこの歯並び)の起こる要因は、乳歯から永久歯に生え変わる過程で、顎が小さい、歯が大きいなどの理由で歯が並びきらないことです。最後になった犬歯が、生えるところが無く、やむなく外側に飛び出して生えるのが八重歯です。そのような状態では、そもそも歯が正しく並ぶスペースが足りていませんので、抜歯により並ぶスペースを作る必要があります。
また八重歯の方のお悩みとして、唇が閉じにくい、口元が前に突出している等を気にされている方も多く、このようなお悩みの解決には、抜歯により前歯の位置を全体的に下げることが有効なことがあります。

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八重歯の矯正の経過を教えてください。
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まず検査により、診断に必要な資料(歯型、レントゲン写真、顔面口腔内写真等)を採得します。それを元に分析と診断を行い、治療計画が立てられます。診断結果と治療計画については、時間をかけて丁寧にご説明をしますので、ここまでの過程でご不明な点はどのようなことでもお尋ねください
次に装置を作成し、お口の中に装着、治療がスタートします。気になる八重歯の改善は、早い方だと半年程度で並んできます。
動的矯正治療は平均2〜3年、4〜6週ごとに調節のため来院していただきます。きれいな歯並びが完成したら、しっかりと安定するまでの期間、保定装置による治療を行います。保定期間は3年程度、3〜4ヶ月に1回程度チェックとクリーニングに来ていただきます。この間にホワイトニングをする方もいらっしゃいます。

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大人になってからでも八重歯の矯正は可能ですか?
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可能です。
八重歯の状態は、歯磨きがしづらく虫歯や歯周病のリスクが高まります。それによって糖尿病など成人病のリスクを高める可能性も指摘されてきました。また、正しく咬み合っていない状態は、消化器へ負担がかかる可能性もあります。
このように口腔内環境が全身の健康に影響を及ぼすことは近年広く知られてきました。矯正治療をするのに年齢の制限はありません。当院では60代、70代の方も治療を受けられています。

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八重歯の裏側矯正について教えてください。
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八重歯の場合も裏側矯正で治せないケースはありません。
八重歯の治療で表側に装置をつけると、唇側に飛び出している八重歯のさらに外側に装置(ブラケット、ワイヤー)が着くことになりますから、唇の違和感が強かったり、口元がさらに突出してしまう等を心配される方には、裏側の装置で歯並びを矯正することをお勧めすることもあります。
表側に比べて裏側矯正では治療が難しい、時間がかかる等といわれることがありますが、そのようなことはありません。ただ、表側からの治療とは違ったスキルが必要なため、裏側の治療経験が豊富な先生に診ていただくことをお勧めします。

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八重歯の矯正は保険適用になりますか?
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矯正治療は、外科手術を伴う「外科的矯正」など健康保険の適用となる症例もありますが、ほとんどの場合、保険外の自由診療です。
矯正治療費は、医療費控除の対象となります。

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大人の八重歯矯正の費用を教えてください。
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矯正治療は、健康保険の適用となる症例もありますが、基本自由診療となります。
矯正治療を受ける際には、まず検査と診断が必要ですので、それぞれ検査料、診断料がかかります。治療方針が決まると装置代、動的治療が終了した後は、後戻りを防ぐ保定治療に入り、保定装置代がかかります。
そのほかに来院の際の調節料、観察料等が必要になります。費用がいくらかかるか、詳しくは矯正料金のページをご覧ください。これらの費用は、八重歯、出っ歯、受け口など不正咬合の種類に関係なく同じです。

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八重歯はセラミック矯正をできますか?
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セラミック矯正は、歯科で言うところの矯正とは別の物です。矯正治療ではありせん。セラミック矯正は、歯を削ってセラミック等の人工の歯を被せ短期間で歯並びを整える方法です。
歯の神経を取ってしまったり、見た目のために無理に歯の方向を変えてしまうため、歯の寿命に大きく影響を与えます。何年か先には作り直しをしなければならなかったり、最悪の場合、歯を失う危険性もあります。
特に八重歯の場合では、八重歯そのもの(犬歯)を抜いてしまうこともあり、お勧めできません。なぜなら犬歯は、ものを噛む時の動き(咀嚼運動)の際に非常に大切な役割を担っている歯で、顎の動きをつかさどり、顎が安定して動くために重要な働きをしているからです。
本来の矯正治療は、時間はかかりますが、自分の健康な歯で機能的な咬み合わせを作るものです。一生自分の歯でしっかり咬むことができるのが最大のメリットです。

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子どもの八重歯矯正費用について教えてください。
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お子様の年齢、お口の中の状態(乳歯と永久歯が混在している状態なのか、永久歯がすべて生え揃っているのか)によって治療内容、治療費も変わります。
乳歯と永久歯が混在している時期であれば、小児期からの矯正治療(=1期治療)になり、成長を利用して歯並びの改善、永久歯の萌出誘導等を行います。これにより、永久歯になってからの2期治療の必要がなくなったり、2期治療に移行した際にも抜歯をせずに済んだり、抜く歯の本数を減らせたり、期間を短縮できるなど、負担の少ない治療となる可能性が高まります。
1期治療の費用は、年齢、期間、装置の種類や数にかかわらず定額です。そのほかに、検査、診断料、来院時の調節料等は大人の場合で同じです。また、1期治療後に2期治療(大人の治療と内容は同じ)が必要になった場合も、その費用は大人の治療の費用から1期治療の費用を差し引いた額となりますので、1期治療費用が無駄になるということはありません。
中学生や高校生で永久歯が生え揃っている時期からの治療は、大人の矯正治療(=本格矯正治療)の対象となります。詳しくは料金表のページをご覧ください。

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八重歯の矯正をしたいですが、目立たない方法はありますか?
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目立たない方法としては、裏側矯正、マウスピース(アライナー)矯正がありますが、八重歯の程度によっては、マウスピース(アライナー)矯正では治療が難しい場合があります。
マウスピース(アライナー)矯正では、歯を効率よく動かすために「アタッチメント」という歯の表面に小さな突起物を付けることがあります。目立たない素材や色ではありますが、食べ物で着色してしまうこともあり、目立つことを気にする方もいらっしゃいます。
対して裏側矯正は、表側には何もつきませんので人知れず矯正治療を行うことができます。加えて抜歯が必要なケースでも、隙間が埋まるまでは仮歯をつけて治療しますので、抜歯箇所も目立つことなく治療できます。

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受け口で八重歯でも矯正できますか?
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叢生、出っ歯、受け口など不正咬合の種類に関係なく八重歯の状態になることがあります。このような場合でも正確な検査、診断のもとで八重歯を治し、正しい咬み合わせに改善する事は可能です。

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中学生で八重歯の矯正をしたいのですが時期として問題ないですか?期間はどのくらいかかりますか?
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中学生のお子様の場合、おそらく本格矯正の対象となります。時期として問題はありません。
スタートの年齢にもよりますが、動的治療(ワイヤー矯正、マウスピース矯正)2〜3年程度、保定治療(歯並びを安定させる期間)に3年程度必要です。中学生の早いうちに始めると、高校生になってからは負担の軽い保定治療(装置もほとんど気にならず、通院頻度も3〜4ヶ月に1度)になります。
スタート時期によっては、高校生の間で保定治療が終了しない事がありますが、就職や進学等で道外へ行かれた場合でも、保定期間であれば帰省時に来院していただければ問題ありません。また、装置のトラブルがあった場合も、就職、進学先で矯正歯科医院に応急処置の依頼が可能ですのでご心配はいりません。

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歯を抜かないで八重歯の矯正をできますか?
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歯を抜く必要があるかどうかは、正確な診断が必要ですが、軽度の八重歯のケースでは可能です。軽度であれば、顎を拡げたり、IPR(歯の間を削ることで隙間を作ること)で部分矯正で改善できることもあります。

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片方の八重歯だけを矯正で治せますか?
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八重歯は、片方だけの場合もあれば、左右両方が八重歯の方もいらっしゃいます。いずれの場合も、矯正治療できれいな歯並びにすることは可能です。

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著者プロフィール
上野拓郎 博士(歯学)
E-line矯正歯科 院長
日本歯科専門医機構認定 矯正歯科専門医・研修指導医
日本矯正歯科学会 認定医・指導医・臨床医(旧臨床指導医)
世界舌側矯正歯科学会(WSLO) 認定医
北海道大学歯学部卒業後、歯科矯正学を専門に研鑽を積み、1997年にE-line矯正歯科を開院。矯正歯科分野において30年以上の臨床経験を重ね、日本矯正歯科学会認定医・指導医・臨床医(旧臨床指導医)、舌側矯正の国際的認定医など多数の資格を取得。2023年には日本歯科専門医機構より「矯正歯科専門医」、2025年には「研修指導医」に認定される。


