外科矯正(外科的矯正)

外科矯正(外科的矯正)

外科矯正(外科的矯正)とは

外科矯正(外科的矯正)とは、骨格的なずれや変形などにより歯の矯正だけでは改善が難しい場合に行う、顎の骨に対する外科的な手術を伴う矯正治療のことをいいます。代表例としては「顎変形症」の治療があります。

外科矯正(外科的矯正)は保険が適用される矯正治療です。

外科矯正について

保険適用の矯正治療を受けられる医療機関

保険適用の矯正治療は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関でのみ行うことができます。
当院は指定医療機関として「自立支援医療(更生・育成医療)指定機関・顎口腔機能診断施設」の認可を受けております。

詳細は、公益社団法人日本矯正歯科学会HPを参照してください。

顎変形症の外科的矯正治療

思春期成長終了以降、上下の顎の骨がずれていたり、変形して歪んでいたりして矯正治療単独では改善が難しいと診断された場合、外科手術を伴う矯正治療を受けることになります。これを「外科的矯正」といい保険が適用されます。

外科的矯正では、矯正歯科医が口腔外科医や形成外科医と協力・連携しながら治療計画を立て、治療を進めます。

手術は、連携する口腔外科病院で行います。

症状により下顎だけを切離する場合と、上下両方の顎の骨を切離する場合があり、10日〜2週間程度の入院が必要です。

Flow

  1. Step 01

    矯正相談

    気になる症状をご相談ください。
    歯並び、咬み合わせの状態を確認し、予想される治療についてご説明します。

  2. Step 02

    検査

    レントゲン、C T撮影等、必要な精密検査を行います。

  3. Step 03

    診断・ご説明(検査から約3週間後)

    治療の流れなど具体的なご説明をします。同意をいただいた後、本格的な治療が開始となります。

  4. Step 04

    術前矯正治療

    およそ1〜2年かけて上下の歯を動かしていきます。治療の後半では毎回歯型を採り、術後の咬み合わせを想定しながら歯並びを治します。

  5. Step 05

    外科手術

    全身麻酔下で口腔内から行います。顎の骨を離断し、上下の顎の位置を決め、ボルト、ビス、プレートで固定します。入院は10日〜2週間程度です。

    下顎前突の術前・術後
    下顎前突の術前
    術前
    下顎前突の術後
    術後
    上顎前突の術前・術後
    上顎前突の術前
    術前
    上顎前突の術後
    術後
    顎偏位の術前・術後
    顎偏位の術前
    術前
    顎偏位の術後
    術後
  6. Step 06

    術後矯正治療

    術前矯正では不十分であった咬合状態の改善を半年〜1年ほどかけて微調整します。

  7. Step 07

    保定

    歯並びの後戻りを防ぐため3年ほど保定治療を行います。3〜6ヶ月に1回程度通院します。

費用

外科的矯正治療は保険が適用されます。3割負担の場合、矯正治療費は25〜30万円程度。
外科手術の費用は、下顎のみで約30万円、上下の顎で40〜50万円が目安ですが「高額療養費制度」が利用できますので、手術費用は概ね7万円程度となります。
よって、患者さまご自身がご負担される金額はトータルで35〜40万円程度となります。

高額療養費制度の詳細は厚生労働省のHPをご参照ください。
高額療養費制度を利用される皆さまへ(厚生労働省HP)

保険適用の条件及び注意事項

  1. 「指定医療機関」で治療を行う
    当院は指定自立支援医療機関、及び顎口腔機能診断施設の認可を受けていますので保険診療を行うことができます。
    歯科医院または矯正歯科ならどこでも保険で矯正治療を受けられるわけではありません。
  2. 使用する装置には制限がある
    保険適用の矯正治療の場合、使用できる装置には制限があり、マウスピース型矯正装置など保険適用外の装置は使用できません。
    これらを希望する場合は、手術も含めて全てが自費診療となります。
負担が大きい分、喜びも

外科矯正は、入院が必要なことや、全身麻酔下での手術など、患者さまにとっては怖いイメージのある治療でしょう。しかし、専門医による詳しい説明を聞いて理解を深め、メリットデメリットについても正しく把握しておけば必要以上に不安に思う事はありません。

歯を動かすだけでは解決できない顎の骨格の問題を根本的に解決することができますので、健康上のメリットも大きく、また顔の歪みや輪郭なども大きく変化することで、長年のコンプレックスから解放される方も多いように思います。

外科矯正の対象となる症状かどうかはご自身で判断するのは難しいですので、お悩みを持たれている方は、まずは信頼できる矯正専門医にご相談してください。その上で慎重に検討を進めましょう。

「顎変形症」以外に保険適用となる矯正治療

保険診療の対象となる矯正治療には「顎変形症」以外にも次のようなものがあります。

  • 【別に厚生労働大臣が定める疾患】に起因した咬合異常に対する歯列矯正治療。
  • 前歯及び小臼歯の永久歯(大人の歯)のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常に対する歯列矯正治療。(※埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)

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丁寧にヒアリングさせていただきます。お気軽にご相談ください。