思春期成長期、
永久歯が生えそろった時期からの矯正治療です。
小児期からの矯正を「前期治療」「後期治療」と呼ぶのに対し、
おとなの矯正は「本格治療」と呼びます。
また、一本一本の歯にブラケットを装着して行うことから
「マルチブラケット治療」とも言われます。
健康的な歯を抜くことに懐疑的になったり、混乱したりする人も少なくありませんが、
あごの骨の成長が止まっているおとなの場合「歯を抜かない」という選択肢が
必ずしも良い結果をもたらすとは限らないのです。
発育期にある子どもの治療においては、あごを拡大することで対処できる場合もありますが、
おとなの場合は、あごの成長がすでに止まっているので、あご自体の大きさをコントロールすることは困難です。
歯を抜かずに、狭いスペースに無理やり歯を並べた場合、
あごの外側の骨が薄くなり、歯周病などを起こした場合、逆に歯を失う原因となることがあります。
矯正治療で「歯を抜く」「抜かない」の判断は、
お口の健康、機能回復を将来にわたって維持するためにどうするのが良いのか、
専門医の正確な診断によってなされます。
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簡単な審査を行い、治療の概略(どのような治療になるか、その費用等)についてお話しします。
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口腔内診査、CT・レントゲン撮影、歯型、写真等を取り、それらを元に治療内容、使用する装置を含めた診断を行います。
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[動的治療]1〜2か月の間隔で通院
診断に基づき、マルチブラケット装置による治療を行います。装置装着期間は平均すると2~3年、通院回数は20~30回程度です。歯の動くスピードには個人差があるほか、治療中のトラブル(虫歯、装置の破損等)があった場合は、期間、回数が多くなる可能性があります。
[保定治療]3か月程度の間隔動的治療終了直後は、歯の位置が安定せずそのままにしていると歯が動いてしまいます。歯の周りの骨が歯を再度しっかり支え直すまで、歯の裏側から細いワイヤーで歯を固定します。保定期間は、最低2〜3年必要です。来院回数は、10回程度です。
治療開始前にしておかなければならないこと
虫歯、歯周病、顎関節症がある場合は、
その治療を矯正治療開始前に済ませておきます。